【国内株式】アドウェイズの成長シナリオに関する分析

2013年7月10日のアドウェイズのプレスリリースAppDriver、無料通話・無料メールスマホアプリ「LINE」と代理店契約を締結を皮切りにLINE関連銘柄として、ネットイヤー、ネオス、GMOAPなどの銘柄が華々しく値上がりをする、所謂LINE関連銘柄相場が始まった。追随する3銘柄との比較でもアドウェイズ株のハイパフォーマンスぶりは顕著であり、公開資料から今後の株価上昇余地、成長シナリオについて分析したい。

*比較チャート(2489アドウェイズ、3622ネットイヤー、3627ネオス、4784GMOAP 2013/7~2013/10)


■基本情報(株主構成)
株主構成は非常にスッキリしている。社長の岡村氏が1/4で筆頭株主というのは、直近のオーナー企業銘柄のハイパフォーマンスぶりから好印象。次いで22%保有しているのが伊藤忠商事伊藤忠アドウェイズの上場間もない2007年頃に17%強の株主として登場。主要株主の異動に関するお知らせ。その後、保有比率を高めて海外担当役員も派遣していたりして、直近の積極的な海外展開は、伊藤忠とのパイプが生きていると考えてよいだろう。なお、松井証券や、カブコム,SBIといった大手ネット証券が名前を連ねているのは、一般信用取引の顧客買建玉の自己融資で名義に載っているだけなので気にしなくてよいだろう。なお、メリル宛の新株予約権が行使されることで発行済株式数が増加し保有比率は若干の修正が入る予定。

■社長の岡村氏について
まず、経歴が凄い。高校中退後、飛び込みセールスで空気清浄機とかを一般家庭に売り込んだりしていたらしい。
参照記事
中卒から上場企業の社長に上り詰めたというのは、GMOの熊谷氏がぱっと思いつくけど、熊谷氏の場合は親の事業を継承しそれを大きく育てた=育てるべき事業が一応存在したという点が大きい一方、岡村氏の場合はまったくのゼロから徒手空拳でアドウェイズを作り、2006年時点で史上最年少の上場社長となる。スケール感で比較するとすると、広州から泳いで香港に密入国してジョルダーノを創業したジミー・ライのようなハングリーさ、よい意味でグリードな臭いのする珍しい創業社長と言えると思う。

■決算概況
前年同四半期比で見ると売上の伸びは+53%と申し分ないものの、売上総利益の伸びが相対的に鈍く、販管費が大幅に増えていることから営業利益率は悪化。新卒採用と果敢な海外展開により会社が攻めに出ているタイミングと解釈することもできる。
売上構成比で前四半期から見るとガラケー向けが5億円の減少に対し、スマホが2.5億の増加にとどまり、スマホシフトをいかに加速するかが鍵となっている。「怪物クロニクル」等のヒット作剥落のSAP事業はお荷物と化しており、直近会社全体としてもSAP事業はリソースを割いていない印象。この点は、昨今のレッドオーシャン化を見ると正しい方向かと思われる。

(加筆します。)

【海外株式】twitterの上場目論見書(英文)でわかったことまとめ

twitterのIPOのform S-1(新規上場時の目論見書)が公開されたので読み込んでいます。
初めて知った内容をまとめていこうと思う。随時加筆していく予定。

■足下の状況

  • 月間アクティブユーザー数(MAU)は2.1億人、デイリーでも1億人

(↓こんな感じ、直近では四半期毎に1500万人の増加ペースと堅調)

  • 内、米国外のユーザーが77%を占める
  • 内、スパムのアカウントは全体の5%未満程度と推計している
  • 100万以上のサードパーティーのウェブサイトに埋め込まれている。
  • ツイートについて2013年第2四半期においては300億のインプレッションがあった
  • タイムラインビュー数は過去1年で69%増加し、MAU一人当たりあたりの17%増加
  • ツイートの140文字の制約は、SMSベースのメッセージングシステムが起源
  • アクティブユーザーの75%がモバイルまたはタブレットからのアクセス
  • 広告収入の65%以上がモバイル等から発生
  • アメリカ人の44%がほぼ毎日ツイッター以外のオフラインのメディアを通じてハッシュタグに紐づいたツイートを見ている

■事業への脅威の記載にて

  • 日本のLINE、韓国のカカオをライバルとする競争に直面していると明示(P66)
  • FacebookInstagram買収を経緯として、ツイート内でのInstagramの写真表示ができなくなった事例
  • AP通信のアカウント乗っ取りによるホワイトハウス爆破とのツイートによる株価急落の事例

■広告の費用対効果について、

  • 非対称のフォロー関係モデル(相互フォローが前提でない)がユーザーのインタレストグラフを生成
  • これにより効率的なターゲット広告が可能となる

1,000タイムラインビューあたりの広告収入は0.8ドル 過去1年で26%の増加
■データ提供サービス

  • ヒストリカル分析、リアルタイム分析が可能。サービス開始以来の300億ツイートが解析出来るライセンスを提供
  • ユーザーの感情、影響関係が把握可能なデータ分析用のアルゴリズムを提供

■直近決算内容

  • 上半期の赤字は6900万ドル、売り上げ2.5億ドル(半期)
  • 内訳は、広告収入が2.2億ドル、データライセンス事業が3000万ドル
  • 前年通期では売上3.2億ドルであり、6割強の増収とかなりハイペース
  • 販管費は高止まりしており利益の改善ペースは緩慢な印象か

■その他

  • 経営陣は意外にめちゃめちゃ若いというわけではない印象
  • 2010年〜CEOのRichard Costolo氏の経歴はこんな感じ

 ➡ミシガン大学コンピュータサイエンス専攻
 ➡2003〜2007 RSS購読プロバイダーのFeedBurner(後にGoogleが買収)のCEO
 ➡2007〜2009 Googleのプロダクトマネージャ

  • フルタイム従業員は約2000名、直近1年で90%増加

■letter from twitterは面白い
創業者のジャック・ドーシーの最初のつぶやきから始まるletter from twitterという項目は必読。

  • twitterは24文字のつぶやきからはじまった。

■まとめなど。
売上高が順調にのびていて、amazon同様、収益化はいつでもできるけど、トップラインをのばすことに専念している印象。初めて知ったけど、比率は低いけどデータライセンス事業というのをBtoBでやっていて、300億のヒストリカルツイートを分析出来るアルゴリズムを提供しているというのは凄いね。さらに、情報構造として他のSNSと異なり、フォロー、フォロワーの関係性が非対称だからこそターゲティング広告に威力が生まれるという視点も新鮮だった。モバイルに特化した広告モデルは何かのきっかけに収益面でも爆発するんじゃないかな。

最後に、目論見書には何度も140文字というのは、SMSにおけるシステム上の制約が起源だけど、このシンプルさがtwitterの最大の武器であるという表現が何度も出てくるんだよね。この辺りを明瞭に意識している経営陣というのは強いなと。

【情報収集】有料メルマガ寸評

俺が読んでいる有料メルマガについてサクッと批評。仕事柄金融系が多いです。
日経新聞だったり、経済誌とかにお金使うより、有料メルマガの方が著者が実存賭けて書いている割合が高い分、コストパフォーマンスが高く感じます。


【高城未来研究所『Future Report』】 月額840円毎週金曜夕刻
「私の名前は高城剛、職業不明、住所不定」っていう本がとても面白かったので購読を開始。特にその中の「想像力と移動距離は比例する」という言葉が印象に残っているなぁ。高城氏の未来予測は大概当たる事が多くて、情報処理能力や先見性、勘の良さみたいなものをすごく感じる。
一昔前の村上龍みたいに日本を落として、海外万歳みたいな嫌味さが不思議とない。あ、すみません。佐藤界飛先生の健康法?のところは面白そうなんだけど飛ばして読んでます。Q&Aが特に素晴らしい。誠実な人格が伝わってくるし、読んでて涙がでるくらい感動したものがありました。毎回きっちり同じ時間に送信されてくるところを見るとマメな人なんだと思います。


【週刊isologue】 磯崎哲也 月額840円 毎週月曜深夜
これはコスパ高いよね。
こんな値段でこれだけ濃い内容が読めるんだから間違いなくお得。スカスカのマネー雑誌とかが百万年かかっても追いつかないレベルだ。
ブログの方のisologueで
有価証券報告書というのはEDINETで無料開示されていて、
 誰でもアクセスできるのにわざわざ見て研究する人間は非常に少ない。
 これを読みこなすだけで他の人と大きな差がつけられるのに…」
(こんな書き方だったか忘れたけど)といったことが書かれていてそのスタンスを地で行っているなと思いました。
月曜の夜中というのは非常にヘトヘトであるのでつい読むのを後回しにしてしまうけど数カ月分、気になるタイトルを一気に読んだりする。ただ既開示の財務データからの分析が中心なので若干論の立て方がスタティックでそのあたり物足りないと感じる人はいるかもしれない。あと、後世の人がいろいろ調べ返して涙流してありがたがるのはこうゆうものかなと思ったりする。


【週刊金融日記藤沢数希 
面白い。配信を重ねるごとに面白くなってきている。
例えば、丸の内で飲んで、錦糸町のラブホに流れるのが鉄板みたいなホイチョイ・プロダクションズの「東京いい店やれる店」みたいなノリの東京でどう女の子とうまく遊ぶのかっていうのは、ここ数年東京の街が変わっていくなかで俺にとっても喫緊のテーマだったりするけど非常に足を使って買いている感じがする。
(ほんとに外資証券勤務でこんなボリュームのあるメルマガが書けるのだろうか。)
何号目かのQ&Aで、マクロ的な主張とミクロで自分でやっていることが正反対でも全然OKみたいなことを書いていてその点は非常に腑に落ちました。そういうスタンス。あ、あまり金融のことは書いていないです。業種はクオンツらしいから相場観は無さそうだね。


【闇株新聞プレミアム】2,800円 毎週月曜夕刻
これは月2,800円とダントツ 高いなぁ。他ののメルマガの3〜4倍だな。しっかり内容もあって北浜流一郎(名前を書くのも汚らわしい)とかみたいなサギ師よりは全然マシだけど。購読するのに勇気がいった。兜町近辺の情報源も厚くて価値が有るのだろうけど、分析力と推論の立て方、切り口とかが勉強になります。歴史観とか教養とかを滲ませてる骨太のスタンスは好み。欲を言えばもう少しボリュームが欲しいかな。しかしクロニクルとかの超低位のボロ株好きなのはなんでかな?


津田大介の「メディアの現場」】630円 
これは、ボリューム比でコスパ高い。これでもかというくらい分量がある。こういうわけのわからないヤケクソな情熱は好きだわ。タイムリーな話題を既存の文脈から±30度くらい違う角度で捉える手腕は流石のもの。ただ話題的に興味のない号はほとんど読まずに放置してしまうこともあるかな。
原発に対するスタンスは俺と180度意見が違うし、JASRACとか音楽業界の現状(惨状)とかもう終わってる話だし正直どうでもよくね?とかあるけど。)
Q&Aが一番好きです。誠実かつなんとか質問者や読者にバリューを届けたいという姿勢が伝わってくる。


【ぐっちーさんの経済ZAP!!】840円 毎週月曜昼ごろ
主に米国経済に特化した分析レポート。雇用統計の各種指標についてかなり細かく分析が行われている。分析や視点は結構深度があるし、そこまで細かく見てられないよってデータまで結構掘り下げてくれているのは私みたいな仕事をやっているとありがたい。切り口も参考になるし。クルーグマンのブログとかを単に和訳して行数稼いでる感もあるところだけはいただけないかな。実は一度解約したことがあるけど必要性を感じて最近また読み直している。


堀江貴文のブログでは言えない話】840円 毎週月曜早朝
問答無用の獄中メルマガ。何よりマネタイズ力の凄まじさに脱帽する。読者は多いのであまり多くは書かないけど起業記とQ&Aの身も蓋もない一行回答「私だったらすぐやめる」「特になし」「興味なし」が最高。藤沢数希が、「前略ホリエモン様」でこのメルマガへの課金は、「出所したホリエモンが放つであろう元気玉ドラゴンボール)の養分としてみんなが少しづつ与えている元気だ」とか書いてたけどまさにそんな気分で読んでいる。
出てきたら人格に厚みまで出てとんでもない男になってるんだろうな。


*各メルマガの料金は私が購読しているスタンドのものです。