【海外株式】twitterの上場目論見書(英文)でわかったことまとめ
twitterのIPOのform S-1(新規上場時の目論見書)が公開されたので読み込んでいます。
初めて知った内容をまとめていこうと思う。随時加筆していく予定。
■足下の状況
- 月間アクティブユーザー数(MAU)は2.1億人、デイリーでも1億人
(↓こんな感じ、直近では四半期毎に1500万人の増加ペースと堅調)
- 内、米国外のユーザーが77%を占める
- 内、スパムのアカウントは全体の5%未満程度と推計している
- 100万以上のサードパーティーのウェブサイトに埋め込まれている。
- ツイートについて2013年第2四半期においては300億のインプレッションがあった
- タイムラインビュー数は過去1年で69%増加し、MAU一人当たりあたりの17%増加
- ツイートの140文字の制約は、SMSベースのメッセージングシステムが起源
- アクティブユーザーの75%がモバイルまたはタブレットからのアクセス
- 広告収入の65%以上がモバイル等から発生
- アメリカ人の44%がほぼ毎日ツイッター以外のオフラインのメディアを通じてハッシュタグに紐づいたツイートを見ている
■事業への脅威の記載にて
- 日本のLINE、韓国のカカオをライバルとする競争に直面していると明示(P66)
- FacebookのInstagram買収を経緯として、ツイート内でのInstagramの写真表示ができなくなった事例
- AP通信のアカウント乗っ取りによるホワイトハウス爆破とのツイートによる株価急落の事例
■広告の費用対効果について、
- 非対称のフォロー関係モデル(相互フォローが前提でない)がユーザーのインタレストグラフを生成
- これにより効率的なターゲット広告が可能となる
1,000タイムラインビューあたりの広告収入は0.8ドル 過去1年で26%の増加
■データ提供サービス
■直近決算内容
- 上半期の赤字は6900万ドル、売り上げ2.5億ドル(半期)
- 内訳は、広告収入が2.2億ドル、データライセンス事業が3000万ドル
- 前年通期では売上3.2億ドルであり、6割強の増収とかなりハイペース
- 販管費は高止まりしており利益の改善ペースは緩慢な印象か
- 経営陣は意外にめちゃめちゃ若いというわけではない印象
- 2010年〜CEOのRichard Costolo氏の経歴はこんな感じ
➡ミシガン大学のコンピュータサイエンス専攻
➡2003〜2007 RSS購読プロバイダーのFeedBurner(後にGoogleが買収)のCEO
➡2007〜2009 Googleのプロダクトマネージャ
- フルタイム従業員は約2000名、直近1年で90%増加
■letter from twitterは面白い
創業者のジャック・ドーシーの最初のつぶやきから始まるletter from twitterという項目は必読。
- twitterは24文字のつぶやきからはじまった。
■まとめなど。
売上高が順調にのびていて、amazon同様、収益化はいつでもできるけど、トップラインをのばすことに専念している印象。初めて知ったけど、比率は低いけどデータライセンス事業というのをBtoBでやっていて、300億のヒストリカルツイートを分析出来るアルゴリズムを提供しているというのは凄いね。さらに、情報構造として他のSNSと異なり、フォロー、フォロワーの関係性が非対称だからこそターゲティング広告に威力が生まれるという視点も新鮮だった。モバイルに特化した広告モデルは何かのきっかけに収益面でも爆発するんじゃないかな。
最後に、目論見書には何度も140文字というのは、SMSにおけるシステム上の制約が起源だけど、このシンプルさがtwitterの最大の武器であるという表現が何度も出てくるんだよね。この辺りを明瞭に意識している経営陣というのは強いなと。